「『当事者の語り』に仮託されるもの--Living Libraryを語る」


以下、情報を頂いたのでこちらに転載いたします(公開のイベントのようなので)。

第3回バリアフリーシンポジウム:「『当事者の語り』に仮託されるもの--Living Libraryを語る」


シンポジスト:

平井麻紀(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員)
藤武夫(東京大学先端科学技術研究センター特任助教
飯野由里子(東京大学先端科学技術研究センター特任助教


コメンテイター:

福島智東京大学先端科学技術研究センター教授)
大河内直之(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員)


司会:

星加良司(東京大学教育学研究科講師)


概要

当事者の「生の声」を聞くことにどのような意義があるのか、じっくり考えてみたことはありますか? 私たちの周りには、学校教育、研修会、各種イベントなどの場を通じて、様々な状況に置かれている人々の声を直接聞く機会が、思いのほか存在しています。これまで当事者抜きで「問題」が定義され、それに基づいて重要な判断・決定が下されてきた、ということを考えると、こうした機会が増えたことは望ましいことだと考えられています。

しかし、当事者の「生の声」を聞く場においてメッセージを発信しているのは、いわゆる「語り手」だけではありません。そうした場を設定する主催者の側も、ある特定の意図やメッセージを持っているはずです。にもかかわらず、後者の人々の姿は、これまでクローズアップされてきませんでした。おそらく、主催者の側からすると、「当事者なら誰でもいい」というわけではないでしょう。だとすると、主催者側が期待する「語り」、いわゆる「良い語り」というものが暗黙的に存在している、ということになります。では、その「良さ」とはどのようなものなのでしょうか? 何か独自の基準があるのでしょうか? さらに、そうした語りが当事者の「生の声」を通して語られることにどのような意味が与えられているのでしょうか?

今回は、以上のような問題意識を共有し、「当事者の語り」の新しい可能性を追及している取り組みとして、2000年にデンマークで始まり2008年から日本でも実施されるようになった「Living Library(リビングライブラリー)」というイベントに焦点を当て、こうしたテーマについて考えていきます。様々な困難を抱える当事者を「生きている本」として貸し出し対話の機会を設けることで、多様性に開かれた社会の実現に寄与しようとするリビングライブラリーの取り組みに
おいて、「当事者の語り」はどのように捉えられているのでしょうか? このシンポジウムでは、イベント運営に携わっている東京大学先端科学技術研究センターのメンバーをシンポジストに迎え、この取り組みの持つ意義と可能性を探ります。この議論を通じて、「当事者の語り」を用いた従来のプログラムのあり方に一石を投じるとともに、新しい展望を拓きたいと考えています。


参考URL:Living Library Japan: http://living-library.jp/


日時:2010年3月10日(水)14:00〜17:30
場所:東京大学先端科学技術研究センター4号館2階講堂
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html
主催:東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野/メリトクラシー研究会
参加費等:無料
情報保障:手話通訳・パソコン要約筆記


お問い合わせ先
バリアフリー分野  飯野 由里子
電子メール:iinoあっとbfp.rcast.u-tokyo.ac.jp(あっとを@に変えて下さい)
電話:03-5452-5491
ファクス:03-5452-5062


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