「障害についての意識調査」にトラバ

Macskaさんのはてなの方のブログよりトラバです。
障害についてちょっと意識調査というか、クイズです
全く不勉強なので、良い訓練だし、舌先(指先というべきか)からひねり出して考えてみようとしたのですが。わ〜これやたら難しくないですか?そもそもどういう列車なのかとかどのくらいの移動距離とか、実際の交渉においてはかなり色々な要素が絡む気がするんだけれど、それはとりあえず置いておいてっていうことですよね?でも、「両者へのアドバイス」が求められているということは、具体的な解決を念頭におくわけで、原則論を言ってすむわけでもない、と。
列車ということで、中〜長距離で、鉄道会社も超ローカルの第三セクターでぎりぎり営業していますというようなところではなく、乗客はほぼ全員着席することを念頭において運行されていると仮定します。東京のJRみたいな、そもそも座ってる乗客よりも立っている乗客の方が多い!という場合は、また別のアプローチがあると思うので。
この場合、まず、車椅子を使用する人が少人数であればそのために座席をとりはずすという鉄道会社の現行の規定なり方針なりがあるわけですよね。これが無料のサービスであれば、人数が増えたからといって貸切料金をとるというのは、理にかなわないように思います。逆に、たとえ一人であっても座席のとりはずしのために割り増し料金を取るのであれば人数が増えたらその人数分の割増料金をとればいいはずです(割増料金自体が問題だという考えはありますが、ここでの団体側の抗議は割増料金それ自体に対するものではないので、この件が問題になったのは割増料金よりも貸切特別料金の方が高額だからだと理解します)。そこに差をつける論理的根拠が見当たりません。
同時にこれは見方を変えれば、障害者団体が「団体として」ではなく参加者個々で乗車券(なり座席券なり)を買った場合には、鉄道会社としては無料あるいは通常の割り増し料金で座席取り外しを行わざるを得ないということです。その場合、数両編成(あるいは十数両編成)の列車のあちらこちらで座席取り外しの作業をしなくてはならない。しかも個人個人で乗車券を購入した結果、一つの列車で座席を確保しきれなかったとすれば、その前後の便(っていうのかな)でも取り外し作業を行わなくてはならない。これは鉄道会社にとってはかえって人手と時間のかかる仕事になるような気がします。一車両丸ごとまとめて座席を取り外す方がはるかに効率が良いはず。
とすると、ここは鉄道会社としても、「一車両貸切同然なら特別料金」というところで欲を出して、「それじゃばらばらに座席とりますね〜」と言われるよりは、「どうぞどうぞ、一車両全部座席は取り外しますね」と言って効率よく乗客の運送を行う方が得策ではないでしょうか。それに加えて、「特別料金」で欲を出した結果、障害者団体に抗議を受けたり、あるいは場合によっては訴訟に持ち込まれたりすれば、企業イメージにも傷がつくしお金もかかる。ということで、わたくしなら鉄道会社に対しては、特別料金に拘泥しない方が会社として結局のところはお得ですよ、とアドバイスするかなあ。説得のための後押しとして、障害者団体の方からも、あの鉄道会社は好感度が高い、使い勝手が良い、と積極的にアピールする、などがあればなお良いのではと、こちらは団体の方にアドバイスするかと。この団体に限っても「車椅子使用者を多数含む」というだけで普段通常の仕様で利用する乗客もいるだろうし、他の団体へのアピールも考えれば、それによって乗客が増える見込みだってある。
これは国営でも民間でも変わらないような気がします。
で、これはあくまでも現実的な解決策を考え出そうとしているので、公共機関として障害者の移動の自由を確保する義務があるとか、そういう話はとりあえずしていません。ただ、たとえば車椅子のためのスペースの確保とかあるいは駅でのアクセスの確保の費用とか、それはやっぱり公共交通機関としての義務だと思うけれど。公共交通機関って国営じゃなくてもある程度の補助金なり何なりをもらっているんじゃないのだろうか。違いますか?もしもらっていないとしても、最低限のアクセス確保の費用というのは乗客全体で負担して当然だと思うのですが(最低限っていうのは、逆に言うと、たとえば無菌室みたいな車両じゃないと移動できないとか、そういう特別な医療設備の場合はちょっと同じに考えるのは難しいと思う、ということです)。なんていうのか、駅にトイレがあって掃除されてるとか、そういうのと同じ理屈で、駅のトイレは使わないっていう人でもトイレがあることに文句は言わないわけですし。